中堅化学メーカーで研究開発を経験し、現在営業部門に所属するぴすけっち@chemistpisketchです。
産業のコメとも呼ばれる半導体産業でも、シリコンウェハは必須の素材ですので、調べてみました。
シリコンウェハは半導体チップのベースとなるもので、薄い円形の状態で製造されます。
シリコンウェハーの研究開発って何をするんだろう?
シリコンウェハの製造工程を簡単にまとめると
- インゴットと呼ばれるシリコンの塊を作る
- インゴットから切り出して磨く、薬液の加工し、さらに徹底的に磨く
- 純度を上げて付加価値を高めるために、高熱処理を入れる(アニールでの酸素除去や表面のエピタキシャル成長)
日本のメーカーは3での高品質・高機能なシリコンウェハに強みを持つようです。
世代はウェハサイズで分けられており、現世代は300mm。
今供給が足りないと話題の車載用途はレガシー品の200mmを適用しているそうです。
シリコンウェハーは品質がかなり重要ですので、日夜高品質かつ、新しい機能を付与するような技術開発が進められています。
ウェハ自体の解説はSUMCOの製品紹介が分かりやすかったよ!
シリコンウェハの使い方
シリコンウェハは下記のようにフォトレジストを使用して微細配線を形成します。
最終的に、パターン形成が全て終了すると、個片化して一つのチップとなります。下記は個片化される前のシリコンウェハ―で、この一つ一つがチップとして使われることになります。
個片化されたチップは最終的にパッケージングされ、製品となります。
シリコンウェハー業界・シェアなど
シェア1位・2位を国内メーカーである信越化学工業とSUMCOが分け合っていましたが、3位の台湾のグローバルウェハーズ社がドイツのシルトロニック社を買収したことにより、第2位に躍り出ることになります。
直近での国内二社への影響はないとのことですが、シリコンウェハー業界は日本台湾の3社でほとんどを占めることになります。
信越化学とSUMCOの違いは?事業規模を比べてみた
信越化学とSUMCOの比較
信越化学は複数の事業を有しますので、会社規模は大きく異なります。信越化学は少数精鋭と評されるように、従業員あたりの売上や利益額は非常に大きいことが分かります。
SUMCO社は信越化学には劣りますが、営業利益率13%と通常の製造業と比較してかなり優秀な部類に入ります。ただ、信越化学の半導体シリコン事業の収益性は圧倒的であることが分かります。
全体の規模の違いはあるけど、信越化学の経営はかなり効率化されているね!
信越化学比較してしまうと、SUMCOは売上・利益に対して従業員数が多いことが分かるね!
信越化学工業の事業構成
シェアトップの32%を誇る信越化学社ですが、信越化学の中での売上比率は25%、営業利益比率としては35%です。
半導体シリコンは信越化学にとっても主力の事業の一つと言って良いですね。
信越化学について、詳しくはこちらも参照してください。
SUMCOの事業構成・特徴
続いてのSUMCOは連結での人員は8,142名と、なかなかの規模ですの会社ですね。
2020年度の実績は売上2913億円・営業利益398億円でした。
SUMCOの事業は高純度シリコン事業のみであり、シリコンウェハ―にどうしても関わりたい場合はSUMCO社を志望すれば確実に携わることができます。
信越化学が凄すぎるけど、利益率10%超えはかなり優秀な部類!
シリコンウェハ―についてのまとめ
シリコンウェハーは半導体産業に欠かせない素材であり、信越化学・SUMCOで大半のシェアを占めています。
シリコンウェハは基礎的な素材に感じますが、最先端の半導体には最高級の品質が必要となり、まさに日本ならではの品質で勝負していることが見受けられました。
日本一の収益性を誇る信越化学の中でもシリコンウェハは主力事業の一つでした。SUMCO社も営業利益率13%と優秀でしたが、信越化学の半導体シリコン事業の営業利益率37%ととてつも無い水準でしたね。
最近化合物半導体の研究開発している会社をよく記事でみるね!
シリコンウェハは、いぶし銀感がある気がする!
こちらの記事で他の半導体素材も紹介しています。
ぴすけっち
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