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中堅化学メーカーの研究開発を経験し、営業部門に所属しているぴすけっち@chemistpisketchです。
就職活動をしていた時期に、自分の軸を決めないと志望動機が書きにくいなと感じることがありました。
今回は、就職活動をする際に私が決めていた会社や製品の分類についてお話したいと思います。
こんな方に!
・企業での研究開発を進めていくイメージがつかめない大学生・大学院生
・特に、化学メーカー志望の方で、どのような軸で就活したら良いか分からない学生
・化学が得意だけど、化学科・応用化学科を志望しようか迷っている高校生
私の場合の就活の軸は下記でお話しています。
お伝えしたいことまとめ:有機化学系の学生の就活における就職先のイメージ
①素材: 顧客が化学メーカー
〇幅広い分野に自分達の開発した素材が生かされる
×なぜ自社製品が採用されたかの分析が難しい
②配合品・材料: ①のメーカーから原料を購入、③へ販売(直接消費者の場合も含む)
〇どのような製品として使用されているか分かりやすい
×使う素材の分子構造まで教えてもらえないことも。
③配合品・材料を使用するユーザー
〇最終製品に近く、世の中に役に立つ実感がわきやすい
×化学系を勉強してきた学生からすると遠いイメージ
この3つに分けました。詳しくみていきます。
①素材: 顧客が化学メーカー
顧客が配合品・材料を扱う化学メーカーの製品をここでは素材と定義させていただきます。顧客が化学メーカーであり、サプライチェーンの上流に位置するため、非常に幅広い分野に製品が適用されます。
実感はしにくいけど幅広い人の役に立てるよ!
難点として、なぜ自社製品が採用されたのかが分かりにくい場合があるということがあります。顧客の化学メーカーにとっては、評価方法も重要な情報となるため、顧客からのフィードバックがふわっとした物の場合があります。
特性A・B・CのうちAが〇でBが×で…のように何を評価したのか教えてもらえなかったり、イメージしにくい指標が出てきたり等。お客さんにどのような製品が刺さるのか、出してみないと分からないという点で、仮設を立てるのは難易度が高くなります。
評価方法もお客さんのノウハウだから、言われた通りに変更するしかできないことも!
ただ、「化学の力」で世の中に貢献したいという思いがあるのであれば、素材を扱うメーカーが最もイメージと合うのではないかと思います。
分子のデザインは素材メーカーの重要情報ですので、配合品メーカーには開示されない場合が多々あります。
化学系なら自分で分子デザインするのにあこがれるよね!
②配合品・材料
素材メーカーから原料を購入し、化学メーカー以外を顧客にした製品を配合品・材料とここでは分類しました。化粧品や一部の塗料もこちらの分類とするイメージです。ぴすけっちの携わる事業もこちらに分類されます。
化学の力や分子設計の力だけでなく、評価方法などのノウハウも非常に重要なってくる分野です。
評価系の確立も重要な仕事になるよ!
難点としては完全に素材の分子構造が開示されない部分もあり、仮設を立てる際に憶測となる部分も出てきてしまう点が化学者の皆さんとしては不安点だと思います。
ただし、これらのメーカーは購入する原料だけでなく、自社で分子設計する技術を有し、製造を外注し、使用している場合もあります。
この分野は総合力が必要になるよ!
お客さんが使うプロセスや装置と原料の分子デザインからの特性の推定が必要だね!
③配合品・材料を使用するユーザー
化学系を勉強してきた学生からすると遠いイメージなこともありますが、実は意外とコスパが良い(規模の大きい会社に就職できる)のはこちらの分野と考えています。
有機化学・材料系だったのであまりイメージもしていなかったのですが、車メーカーに就職した友人・先輩は一定数いました。
化学メーカーは大小色々な規模の会社がありますが、車メーカーは非常に大規模な会社ばかりですよね。
これらの会社にとっては化学系の学生は貴重だから狙い目かもね!
完全な化学屋さんだと遠くなりますが、高分子材料を扱っている研究室からだと、材料物性の勉強もするかと思いますので、興味のある会社が見つかれば志望してみてはいかがでしょうか。
④どこにも属さないもの
もちろん化学屋さんの専門性を生かす製品は①~③だけに分類されるものではないですが、私が就職活動をしていた際に切り分けていたのが上記でした。
医薬品は①のイメージに近く「合成」で製造しますが、中間体を別の製薬メーカーに販売する会社もあれば中間体から最終製品を合成して病院に届けられる会社もありますね。
ぴすけっちの主観だね!
有機系で素材志望の学生に一番当てはまるかも!
最後に
ここでの紹介は厳密な分類をしているというよりは、有機化学分野から就職した際にどのような製品に携わる可能性があるか、興味を持った分野に対して志望動機を書くための参考として記載させていただきました。
実際には①・②は厳密に分かれている訳ではなく、素材も扱うし、配合品としても販売するメーカーの方が多いのではないかと思います。
ある事業部にとっては競合でも、別の事業部からしたらお客さんってパターンもあるよ!
企業研究と仕事内容の分類をしていく中で、自分の中で就職の軸を決めておくと志望動機の作成が楽になっていくと思います。
興味のある会社が主にどこをメインにしているか、どうアピールできるか考える前に、分類してみると分かりやすいのではないかと思います。
理系学生のための就活・インターンシップ情報サイト【理系ナビ】
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