中堅化学メーカーの研究開発を経験し、営業部門に所属しているぴすけっち@chemistpisketchです。
富士フイルムホールディングスは連結社員数73,906名、売上2兆3,151億円、営業利益1,866億円の超大手企業です。今回は化学系メインに富士フイルムHDの特徴を紹介いたします。
全社売上規模・事業構成
富士フイルムの営業利益率は2017年度を除いて8%前後と優良な部類となります。
統合報告書に示されている通り、事業分野はイメージングソリューション、ヘルスケア&マテリアルズソリューション、ドキュメントソリューションに分かれています。
写真市場の縮小からイメージングソリューションの事業の比率が大幅に減り、ヘルスケア&マテリアルズが大幅に成長しています。
今後ペーパーレス化によりオフィス需要も市場縮小の可能性も想定される状況ですね。
化学系が志望したいヘルスケア&マテリアルズの重要度は上がってきそうだね!
ヘルスケア&マテリアルズソリューション事業
こちらの事業領域の売り上げだけで1兆円規模となり、ほぼこちらだけで超巨大素材・ヘルスケア・装置メーカーと呼べてしまう領域となっています。
以下、このヘルスケア・マテリアルソリューション部門の事業内容もみていきます。
事業①ヘルスケア
50%近くをヘルスケアの領域が占めており、通常なら一つの事業として切り分けるような規模感です。
装置も取り扱っている事業領域、総合力がすごいね!
日立の画像診断事業の買収を報じた日経新聞の記事では、ヘルスケアは一つの領域として紹介されています。
メディカルシステム・医薬品、バイオCDMO、再生医療、ライフサイエンス事業を展開しています。
売上をけん引しているのはメディカルシステム事業とバイオCDMO事業です。
記憶に新しいの抗インフルエンザ薬として発売されたアビガン®錠のニュースではないでしょうか。
FUJIFILM Cellular社はiPS細胞の開発・製造・販売もしているんだって!
事業②高機能材料
産業機材・電子材料・ファインケミカルとディスプレイ材料を合わせた事業を高機能材料として分類しています。高機能材料セグメントは、化学系の方になじみのある分野ですね。
本部門の26%の2,634億円の事業規模です。
イメージセンサー用のカレーレジスト・偏光板保護フィルムは世界シェアNo1を誇ります。
写真で培った感光性材料の技術とフィルム技術をベースに幅広い展開してるね!
ディスプレイ分野では液晶パネル向けから、有機ELパネル向けの拡販で更なる成長を狙っています。
電子材料領域では別記事でも触れた感光性材料であるフォトレジスト、研磨剤であるCMPスラリー、着色感光材料のカラーレジストを展開しています。
神奈川県足柄上郡開成町に複数の研究拠点を持ち、有機合成・高機能材料の研究開発を進めています。電子材料は静岡、ディスプレイは南足柄市に研究所を有するそうです。
事業所一覧 | 富士フイルム [日本] (fujifilm.com)
事業③記録メディア・グラフィックシステム・インクジェット
記録メディア領域はコンピューター用磁気テープ、データアーカイブサービスなどを提供し、売上419億円。
クラウドの普及に伴い、磁気テープが見直されており、今後のデータアーカイブ分野での一層の活用が期待されるそうです。
衰退するかと思いきやニーズがあるんだね!
グラフィックシステム・インクジェット領域は製版フィルムやインクジェットデジタルプレス、産業用のプリンタヘッド等を提供しており、売上は2136億円です。
製版材料や刷版材料も展開しており、現在主流のCTP(Computer to Plate)で世界シェアNo1とのこと。
富士フイルムの特徴~基盤技術・コア技術と機能価値~
富士フイルムが写真を主体とした事業から現在の事業分野に生まれ変わったというストーリーは、必ずといって良い程、マーケティングや自社の技術探索をする際に参考に他社事例として紹介されます。
写真事業のコア技術を整理し、新たに組み合わせることで新しい「機能価値」を生み、新事業に展開されます。
写真中心の企業から生まれ変わることのできた成功体験は、今後どんな時代になっても生かせそうだね!
富士フイルムの採用(就職・転職)
新卒の場合
新卒採用情報の2022年度マイページやリクナビ(2022年度はこちらからエントリーしましょう。
新卒の場合、通常早期の場合はインターンの検討、二次募集移行はOfferBoxのようなオファー型の就職サイトも検討することになりますね。
2022年卒採用では富士フイルムもOfferBoxに参加していることが確認できています。
詳しくは下記でも解説しています。
インターンシップ参加体験談・志望動機【化学メーカー事例・理系就活】
理系もオファー型就活サイトは活用すべきか?化学メーカーの求人もある?
中途の場合
経験者採用情報をまずは確認しましょう。
中途採用の求人表では具体的なポジションを提示するため非公開で転職エージェント経由でしか応募できないことが多いですが、いくつか掲載されている印象です。
富士フイルムの場合面接の準備や条件交渉を自力でやる自信のある方には採用サイト経由での申し込みも良いですね。
転職エージェントを使用すれば、面接の準備や条件交渉を担当の方から手助けいただけるので、自信のない方は選んでみては。
注意点として、研究開発部門やエンジニアの採用はポジションの空き次第です。
転職エージェントは採用された際に企業から報酬を受けるよ!
急いで転職させようとしない、長期的にお付き合いいただけるエージェントサービスを見極めよう!
そこだけ注意すれば転職者に費用はかからないよ!
私が使った中では、JAC Recruitmentのエージェントの方々が化学業界への理解度が高くオススメできると思います。求人数多く、自分でもしっかり探したい方はリクルートエージェントやDODAといったエージェントも検討してみては。
転職エージェントについて詳しく知りたい方は下記に詳しく書いてあります。
化学系おすすめ転職エージェント・サイト6選|研究開発経験者目線
富士フイルムホールディングスの年収
有価証券報告書によると、2020年3月時点での富士フイルムホールディングスの年収状況は下記の通りでした。
従業員数 228(ホールディングス所属のみ)
平均年齢 42.7歳
平均勤続年数 17.2年
平均年間給与 10,028,486円
ホールディングス所属の給与だから、あくまで参考だね!
平均年齢や勤続年数考えると、部長クラスだけとまでは言えないかな。
総合職の給与イメージと近い可能性はあるね!
最後に
いかがでしたでしょうか。幅広い技術が新しい価値を生み出す会社として、是非とも働いてみたい企業ですよね。
化学系の研究内容について詳しく知りたい方は下記レポートに詳細記載ありますので、是非ご一読ください。chemical_2019.pdf (fujifilm.com)
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